鼠径ヘルニアとは俗に脱腸とも呼ばれ、足のつけ根のところが立ったり、泣いたりしたときに、膨れて違和感や痛みを感じる病気で男性に多く、年齢は子供と壮年、老年期に多いものです。治療は成人の場合ほとんど手術が必要となります。当クリニックでは腹腔鏡下腹膜外腔アプローチヘルニア根治術(TEPP)を標準手術としております。麻酔は全身麻酔で手術時間は30分から1時間程度です。入院期間は3日から9日程度です。おへそのまわりに約1cmの穴をあけ、バルーンカテーテルを鼠蹊部の腹膜外腔で膨らませた後、炭酸ガスで膨らませます。カメラを挿入し、下腹部に約5mmの穴を2箇所あけ、手術器具を入れ、袋状になった腹膜を糸針で閉鎖し、袋を切離します。その後メッシュと呼ばれる人工の膜を入れ、靱帯に固定し、傷を縫い閉じます。

TEPP法